第4回目のシンポジウムは戦後空間の変質に目を向け、80年代後半から90年代を扱う。
バブルは戦後空間を駆動させた高度経済資本の成長が、イメージゲームにまで展開した。
震災は公共福祉を目的とし邁進してきた建築・都市の法的精神を温存させつつも、安全と従来の生活文化に矛盾を生じせしめ、その後の建築行政のあり方の方向性を決定した。
オウム教は「ユートピア」を目指す組織が、その実現にあたって政治権力のみならず一般市民までをも敵とした事件であった。これは戦後空間が保証してきた自由な表現活動一般に対しての大きな挫折となった。
重要なことは、それらが連動していたことである。
この三つの要素とその余波が絡み合うことで、戦後空間の変質が確固とした流れとして現れてきたと言えるのではないか。第4回目のシンポジウムは以上のような要素の出現がその後、現在までの戦後に与えた空間の特質を導きたいのである。〔中谷礼仁〕
日時:2019年11月22日(金)17:00-20:00
場所:建築会館(東京都港区芝5-26-20)会議室
プログラム:
17:00-17:05 戦後空間WGについて(主査)松田法子
17:05-17:10 開催趣旨(司会)中谷礼仁
【報告】
17:10-17:45 「バブル経済と建築・都市(仮)」山形浩生(日本大学生産工学部)
17:45-18:20 「オウム教のメディア戦略、経済活動とその惨禍(仮)」古賀義章(ジャーナリスト・講談社)
18:20-18:55「阪神・淡路大震災復興とその後の都市行政(仮)」牧紀男(京都大学人文研究所)
18:55-19:05 休憩
【コメント】
19:05-19:20 石山修武(早稲田大学名誉教授)
19:20-19:35 布野修司(日本大学特任教授)
19:35-19:55 質疑応答
19:55-20:00 総括(司会)
参 加 費:会員1,500円、会員外2,000円、学生1,000円(資料代含む,当日会場でお支払いください)
定 員:70名(申し込み先着順)
申込方法:建築学会HPよりWeb申し込み
問 合 せ:日本建築学会事務局 事業グループ 一ノ瀬 TEL:03-3456-2051 E-mail:ichinose@aij.or.jp