2016.07.16 Sat 14:00-16:30
Lecture フィルターとなる透過性ある構造形態
Session 建築構造と「建築の外」/認識と解析
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Profile
佐藤淳(さとう・じゅん)
1970年生まれ。佐藤淳構造設計事務所代表。東京大学工学系研究科准教授。
構造設計を担当した主な作品に、「公立はこだて未来大学研究棟」(鉄骨造/山本理顕設計工場/2005)、「N house」(RC造,木造/藤本壮介建築設計事務所/2008)、「ヴェネツィアビエンナーレ2008」(高張力鋼+ガラス造/石上純也建築設計事務所/2008)、「下関市川棚温泉交流センター」(鉄骨造+RC造/隈研吾建築都市設計事務所/2010)ほか多数。 著作に『佐藤淳構造設計事務所のアイテム』(INAX出版,2010)。日本構造デザイン賞(2009)など受賞多数。
レクチャー主旨
透過性を増した構造形態が、環境に対する「フィルター」としての役割を持ちはじめました。大自然を操作しようとするのではなく、肩の力を抜いて、そこにある自然を感じるフィルターです。
そんな透明/半透明な構造形態を生み出すために、座屈と塑性を操って「力学形態」を生み出します。描画するのが困難なぐらい複雑な立体形状を操り「幾何学形態」を生み出します。
エンジニアリングとは「省略」の技です。すべての現象を知ることはできない中で、確かめたいことすべてを確かめる時間のない中で、これなら大丈夫と決断しています。座屈を知ることも、数値計算のアルゴリズムを構築することも、素粒子を観測することも、大自然を知ることです。大自然を少しずつ学び、少しずつ多くの人の命を守ることができるようになります。豊かな空間を生み出せるようになります。
細かく薄い素材で構造をつくることができたら、光、熱、音、空気、水、生物を透過させることができます。軽くて柔らかくて、災害で壊れても人が死なない、そんな構造も実現できるかもしれません。
このセミナーでそんな、力学を操る「形態解析」を試してみたいと思います。自然な景色を分析する「スペクトル解析」を試してみたいと思います。
(佐藤淳)
主催:松田研究室
申し込み・問い合わせ:info@matsuda-lab.net
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