1908年、古代、いま -ケラーマンと宮津の時空間

京都府立大学地域貢献型特別研究〔ACTR〕2018年度成果報告会

日時:2019年2月10日〔日〕 13:00-15:30
会場:みやづ歴史の館 文化ホール(京都府宮津市字鶴賀2164)
定員:280名(申し込み不要/当日先着順)
会費:無料

京都府立大学ACTR「宮津市域の伝統的祭礼・芸能・文化に関する調査研究とその成果公開」
(研究代表:松田法子)2018年度シンポジウム

開催主旨

1908(明治41)年のこと。ベルンハルト・ケラーマンという29歳のドイツ人作家と、カール・ヴァルザーという31歳のスイス人画家が来日しました。さまざまな土地を訪れたうえで、ケラーマンはこう言います。 
-ぼくは日本に滞在中、最もすばらしい時をここで過ごした-。
宮津に日を過ごしながら、ケラーマンは土地の人たちとの交流を重ねました。滞在先だった荒木屋の人々、足繁く通った茶屋「山中」の踊り子たち、漁師、職人、古物商、役人、巡礼、まちの子供、旅回り役者の一行、海軍将校の青年ら。そして、祭にたずさわる大勢の人々と。 
このシンポジウムではケラーマンの体験を軸にしながら、宮津の奥深くに息づいてきた物語に迫ります。
前半では、1世紀前の日本における外国人の「観光」、また聖地や霊場としての天橋立の古層に注目します。
後半に上映する映像では、籠神社と浦島神社に伝わる物語と、葵祭・太刀振り、伊根祭・本庄祭を追いかけながら、茶屋「山中」の座敷でケラーマンが触れた当時の芸能の、神話や伝承にも連なるそのさまを舞踏を介して呼び起こし、かつまたそうした芸能の舞台であった茶屋や新浜の廓としての歴史をも、当時を知る女性たちの貴重な証言からたぐり寄せます。
ケラーマンは宮津でさまざまなものを見、そのある部分を克明に書き残しました。
このシンポジウムでは、ケラーマンの111年前の体験を縦糸に、神話や伝承に籠められてきた宮津の古い記憶、この土地と海との切り離しがたい関係、芸能や女性が紡ぐ綿々たる身体的歴史を、時の水底からすくい上げて横糸に織りなしながら、宮津の波打ち際に営まれてきた時空の立体化をはかります。

プログラム

共催:宮津商工会議所・宮津市教育委員会

※車でお越しの方は「パーキングはままち」(5時間まで無料/浜町3006、ミップル南向かい)にご駐車ください